他人をことばで操作する

http://naked-kings.blog.so-net.ne.jp/2009-04-17

あなたが、誰かに、自分の意見を伝えるとします。
 その時にあなたが、自分が発想した通りに云う、思いついた言葉をそのまま口にすればいい、あるいは何の掛酌もなく話してしまえる方であれば、あなたは、善人というか、無邪気である、イノセントな人であるということになるでしょう。そういう方、あるいは素朴でピュアな自分が好き、などと思っている方は、この文章を読む必要はありません。さようなら。(中略)
意見を述べるにあたって、話し方に工夫をしようと考える人は、程度の差こそあれ、自分の意見、発想が、いかに自分自身にとってはまっとうなものであっても、他人にとってはそうであるとは限らない、ということを認識しているわけです。つまり、自他の間に、一定の段差や溝があることを自覚している。
 自分にとって当然であったり、あるいは明晰である見解が、他人にとってもそうであるとは限らない、むしろ他人にとってはまったくおかしなことであったり、滑稽であったりするのはごくごく当然のことである。というような認識をもっているからこそ、どのように自分の意見を表現したらいいか、という問いが生まれるわけですね。
 この認識をさらに深く掘っていけば、根本的に人間同士は、その心なり、精神なりを素朴に理解しあうことは出来ない、人と人は、どうしようもなく、絶望的にへだてられており、互いに孤独な存在だ、という絶望が秘められているわけです。

「こんなスレまくった話、聞きたくもない」って思った人。
 そんなあなたは多分イノセントな人です。

 
 「そうだよね、そんな人いて実際困ってる」って思った人。
 そんなあなたも多分イノセントな人です。
 そういう人に限って、自分が見えてないものです。


 「じゃぁ、イノセントな人をどうやったら上手く操作できるかな」って思った人。

 ...いらっしゃいませ。多分私の同類です。