リーダーシップ、知性に裏付けられた行動力

http://www.wasedajuku.com/wasemaga/unipro-note/2009/03/post_369.html
タイトルが四谷なんとかという塾の広告のパロディになっている。

予備校業界、とくに(早稲田塾を除く)大手の予備校が、「東大合格者数」を看板にして商売をするのは、まだわかります。そういうビジネスモデルの事業でしか生き延びられない企業が大半だからです。
だから、とにかく東大合格者を増やすことを主眼において指導をします。

なるほど、ここは早稲田塾がどういうビジネスモデルを築いてきたか、うかがい知れる部分。AOや推薦に特化するとはビジネスとして穴を突いているのだろう。

ただ、東大の基本的な性格はやはり「研究大学」だろうとも思います。
研究者を養成するという点、研究成果を生み出すという点では圧倒的だと思いますが、その真価が発揮されるのは大学院以上の段階ではないでしょうか。
学士段階の教育水準で比較をしたら、絶対的なナンバーワンだとは思いません。
「研究者にとって必要な土台をつくる学士教育」としては優れているかもしれませんが、例えば、「リーダーシップを身につけさせる」とか、「知性に裏付けられた行動力を身につけさせる」なんていう軸で考えたら、もっと水準の高い大学はたくさんあるように思います。

(中略)

教員ひとりにつき少人数制の学生がついて丁寧な指導をする大学。
優れたリベラルアーツを行っている大学。
実践力・行動力をもった問題解決型人材を輩出する大学。
全員に留学を義務づけている大学。
多様性の中で広い視野を身につける環境を持った大学。

……等々、東大以外にも、学士段階で優れた教育を行っている大学はたくさんあります。
こうした大学に進学した方が可能性が伸びるのでは、という生徒だっているでしょう。
東大が向いている人と、向いていない人だっていると思います。

 確かに日本の名門だ学は就職において基礎学力の程度を示すいわば「足きり」としてしか機能してないのは事実。
つまり、名門大学といわれる大学でも大した教育はやっていないということ。
 しかし、だからといって上にあげたような教育をやっていることをアピールするのは難しい。「リーダシップ」にせよ「知性に裏付けられた行動力」にせよ、客観的に評価するのが難しいからだ。また、そうした能力も学力との相関はあるかもしれない。実際名門大学出身者が社会のリーダー層にに多い。東大でも絶対数はともかく社長輩出率などはかなり高いのではないだろうか。*1

あと東大は、研究者養成のための学部教育が最高であるのなら、研究者になりたい人こそ大学院からなどといわず学部から東大を目指すべきだろう。

*1:むかしは、中堅大学には学力は足らなずともそうした能力を身につけた学生がいて活気があったが、SFCができてからそうした学生まで引っこ抜かれて元気がなくなった、みたいなことは聞いたことがある