茂木・意識とはなにか

意識とはなにか (ちくま新書)

意識とはなにか (ちくま新書)

瀬戸智子さんのとこより要約の一部
http://ts.way-nifty.com/makura/2009/01/post-9bec.html

第三部。
意識を生み出す脳。
「私」とクオリアの起源と言うことで、
私と他人は違うと言うことから始まります。脳は意識を生み出す臓器である。
科学は普遍的な法則を求めてきたが脳の生成、とりわけ意識については未だ解明されていない。
脳は外界からの刺激の以前に自発的な活動を行っているのだが、外からの刺激を受ける過程でさらに新しいクオリアが発生。
そのような連続の中に「私」はある。
そして意識はどのように生まれるかと言う問題を提示。
まず機能主義について言及。
機能主義は脳を含む身体の客観的な振る舞いに基づいて認知のプロセスを理解しようとする。
が、著者はそれでは「わたしはわたし」と言う問題の解決はみない、として、新しい理論の構築を試みるべきではと提案。

このために本書は今まで書いてきた第1章から戻り、改めて確認する作業を繰り返します。
そしていよいよ最後の詰め、「生成としての個を生きる」へと繋がります。
が、
ここでも同じことが繰り返し書かれています。
つまり機能主義では「わたしはわたしの解決にはならない」と。
最後の結論は実に温かい言葉で締められます。
「私たちが生きている限りどんなに退屈しても行き詰まっても脳の神経細胞の活動に支えられ生成しながらこの世に存在しているのである」
「私たちは生成としての個を生きているのである」と。

(太字、引用者)
 ここでは引用しなかったが、第一部において茂木はわざとか天然か、機能主義で説明できるものもクオリアにいれてしまってる。  他人にも私にも共通の一般化できる感覚はクオリアではない。
それはともかく機能主義では「わたしはわたし」という問題という問題を解決できないというのは正しい。確かにいままでの科学ではわたしに特有な感覚は扱えてない。しかし、科学によってはそれを含めた新しい理論は構築できない。
 構築すべきだという主張はは実は90年代の彼の著作から見られる。つまりはっきりいてそこから全く進歩していないのだ。

そのほか全体を通した感想は以下の人に近い。


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5つ星のうち 3.0 ここでいう意識とは?, 2006/7/4
By zohton - レビューをすべて見る
哲学チックな問いの割りには言葉の使い方が曖昧で、読み通すのにちょっと苦労する。例えば、「意識とはなにか」と問うているのに、問いの対象を規定していないので、読者側が思う「意識」と茂木氏のそれとが同じなのか分からない。
話の展開、論理の構成も練られたものとは思われがたく、思いつき(十分に面白い思いつきだが)を書き連ねただけという印象を持った。よって星3つ。

茂木健一郎関連
クオリアについて http://d.hatena.ne.jp/blupy/20090110/p1
あいのり発言について http://d.hatena.ne.jp/blupy/20090109/p1