季節性情動障害(SAD)には、光療法より認知行動療法の方が効果がある

University of Vermont (2009, October 17). For SAD Sufferers, Cognitive Behavior Better Than Light Therapy At Preventing Recurrence, Study Suggests. ScienceDaily. Retrieved October 17, 2009, from

http://www.sciencedaily.com/releases/2009/10/091016163659.htm
Seasonal affective disorder - Wikipedia

季節性情動障害(SAD)は、冬季うつ病などとも呼ばれる。日照時間が少ないために、セロトニンが不足するなどして、生じるという説明が一般的にされるようだ。そのため光療法が効果的だと考えられてきた。しかし、この研究によれば、光療法よりも認知行動療法(CBT)の方が効果的らしい。SADの再発率が、CBTの場合7%であるのに対し、光療法では37%で、二つを組み合わせた場合は5.5%であった。これは先行研究と異なっている。先行研究では、6週間の処置の結果、混合で80%の緩和だったのに対し、CBTと光療法は両方とも50%しかなかった。なぜこうした違いが生じたのか。
 この論文を出したバーモント大のKelly Rohanは、今回の研究のポイントは、再発率に着目したことだと言う。SADに限らず、精神疾患に対する心理療法の効果は、はじめどれだけ高くても尻つぼみしまいがちだ。混合で80%改善したのは、統制がもっともきちんとしているからで、その次の冬に自分で同じ処置をしなければまた再発してしまう。とりわけ毎日30分光にあたるといった行為はCBTよりも実践率が低い。そのため再発率を比べるとCBTの方が効果的だという。

本筋に関係ないが驚いたのは、 

A $2 million, five-year grant from the National Institute of Mental Health will advance the next phase of Rohan’s research.

 この研究に2億円近くものグラントがついているらしい。