青い街灯の防犯効果

http://simamune.cocolog-nifty.com/nature_human_and_science/2009/02/post-03f3.html
このまえに中国地方に行ったとき見たときから、なんだこの薄気味悪い街灯!?と不思議に思っていたのだが、そういうことだったのね。
西日本でははやってるのかしら。

青色LED街灯が導入されたのが、自分が以前に住んでいたマンションのごく近くだったので、少し笑ってしまった。徳島新聞の記事には「これまで不審者情報や痴漢被害が絶えず...」とあったそうな。不審者どころかほとんど人通りがない国道沿いの脇道なんですけど...

というわけで、興味を持って少し調べてみたけど、青色街灯の防犯効果を示す文献は見つからなかった。

○色光の及ぼす生理的・心理的変化は色によって若干の差異があるようだが(久保・井上, 2008)、それと犯罪行動の関係は未知だし、そもそも単純に色光を60分間見せるのと、犯罪を犯そうとしている人が青色街灯にさらされるのとでは条件が違い過ぎる。

○実際に青色街灯を導入したことによって犯罪件数が減ったという報告もあるが(福田, 2008)、統制群がもうけられていないので、因果関係は結論できない。

○全体的には、青色街灯に防犯効果があるという根拠は、少なくともまだない(土井, 2008)というのが妥当な見解だと思う。

青色街灯に効果があるとすれば、それは色彩心理学的な「鎮静」効果などによるものではなく、単純に照明が増えて明るくなったり(姿を見られやすくなったり)、街灯の設置とともに、ポスターや警察官による見回りの増加などの共変変数に効果があったり、街灯の色の変化によって、“この区域は犯罪防止の努力がなされている”つまり“犯罪を犯せば捕まりやすい”という、弱化の弁別刺激としての機能によるものではないだろうか。

 なんというか女性専用車両の導入のときもそうだったときくが、こういう新しい試みをするとき「ポスターや警察官による見回りの増加」をやってしまっては、効果の実証の議論が水の泡になってしまうという点に警察側は気付いているのだろうか。